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左手が前
レストランやホテルの接客で、ホスト側の方が立っている時に、両手を重ねて待機しているケースがあります。この時、左手が上(前)か右手が上(前)か、というお話です。
※「コンス」という韓国式礼法の立ち方・お辞儀の形の話ではありません。韓国式礼法では、胸から下に広がるチマチョゴリという民族衣装を着ての礼法になるので、お辞儀をしたときに衣服が前に垂れ下がり見映えが良くないので、衣服を押さえるためにお腹の前で手を組み、お辞儀をします。
しかし、日本の作法としては間違いです。
日本の代表的な礼法の小笠原流では、立っているときは両手を下に下ろし、若干前方の腿に当てるのが正しく、礼をする時は、この手が腿の正面に移動させます。
最近のビジネスマナーでこの辺りを混在しているケースがあります。
お間違えのないように。
さて、手の位置の話題ですが、空手の型を行うときの立ち方、立ち黙想の時、手刀にした両手を正中線上の下段に重ねて構えます。この時、左手が上にきます。
これは、昔の律令制の様式、左大臣、右大臣に見られるように、左が上の位からくる慣習(時代によって変わったりもしますが)からなのか、日本人は右利きが多く、昔の武道家には、サウスポーの概念が少なく、大抵、左足前の左構えになっている所からくるものなのでしょうか。
すなわち、左手は受け手。
空手の基本的な動作は左手の受けの動作から入り、利き腕の右で攻撃する、という発想ゆえ、先に動かす左手が前(上)になっている、という解釈です。
それ故、型の最初の動作も受けから入るものは左から動くのが多く、攻撃から入る型は、右側からの入りが多いかもしれません。
検証すべきテーマです。
ちなみに、左手が前なら、身体の構造上、足も左足が前になります。
※剣道は右足前の構え。これは本来、刀を左腰に差していたので、抜くときに必ず、右手を先に添えるので自ずと鍔元になり、利き腕の右手が上(前)になるので、これもまた、身体操法の関係上、右足が前になるのでしょう。
先日、空手の道場生で、外食・ホテル業のグループ会社に携わっている方と、この話をしていましたら、はっきりとした答えを返してくれました。
うちのグループでは、社員には必ず左手を前に置かせます。
右手は攻撃の手、左手でそれを抑え、絶対にお客様には手を上げない、服従します、という意味付けで行っています、との事です。
なるほど、明確な理由で諸動作を成立させているのだなと、感心したものです。
日常生活に武道を活かし、根づかさなくては意味がないし、日常から武道の気づきを得なくては意味がありません。
そんな点では、大変参考になり、改めて武道の奥行きの深さに身が引き締まる思いでした。
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